江戸末期文化年間の長崎に主人公平松忠四郎が新しい長崎奉行として着任する。その長崎とは、わずか一年ごとに交代する奉行より、金という力を持った少数の豪商達が実権を握る町。歴代の長崎奉行は商人と結託し、彼らが非合法なやり口で自らを肥え太らせるのを黙認、その見返りの賄賂で私腹を肥やしてきた。
今回やってきた平松忠四郎もまた例外ではなく、菓子カステイラという名目で贈られた小判を喜んで受け取る、酒好き女好きな男だった。今度の奉行も『また金でどうとでもなる男(いわゆる「昼行灯(ひるあんどん)」)』と見て安心する町年寄たち。しかし昼行灯は忠四郎の仮面であり、蘭学医良順らと共に許せぬ悪人を闇に始末していく彼らは、闇奉行と呼ばれた。
東京原宿表参道を舞台に、シラケ世代とは真反対の若者たちの熱いエネルギーのほとばしる姿を描く[2][3][6][7]。原宿は当時、日本で最もファッショナブルな街といわれ[8]、にわかに注目を集めはじめていた[9][10][11]。主人公八田広介(郷ひろみ)は、高級紳士 服店の社長(高橋昌也)の息子だが父と衝突して独立[8]。生活費を節約し、ファッション雑誌を読んで一流デザイナーを目指しているというトレンディドラマの先駆けのような設定。
企画
企画はTBSで12年間、歌謡番組を担当していたプロデューサー今里照彦[3]。今里にとっては初めて手掛けるドラマで[3]、今里が新御三家、花の高一トリオの中では一番、俳優としての素質が高いと評価していた郷ひろみ、西城秀樹、桜田淳子の3人をメインキャストに抜擢した[3][8]。3人ともかなり先までスケジュールが埋ま...