日本人同士の激闘(力道山対木村政彦)から、世界へ(シャープ兄弟やボボブラジル、ルーテーズとの対戦)はばたいた力道山は「空手チョップ」という言葉を戦後史の一ページに残した。そして、昭和三十八年十二月、急逝。彼が急逝した後、プロレス界は混迷の時代へ突入する。しかし、ジャイアント馬場とアントニオ猪木が全日本プロレスと新日本プロレスという二大組織で競いあう中でプロレス熱は復活した。そして次々とジャンボ鶴田、テリーファンク、ハルクホーガン、スタンハンセン、アンドレザジャイアント、タイガーマスク、長州、藤波など新しいスターたちが登場。この作品はこういったブームの中で、プロレスの日本における原点となった力道山の全貌を描くドキュメンタリー。「私、プロレスの味方です」の作者でもある作家村松友視が製作、監督は「TATOO<刺青>あり」の高橋伴明が担当。主...
お互いテッペンめざそうやー。幼き日の約束、硬く誓い合う若き獅子たちが熱く吼える! 暴力団新法施行前夜を背景に、幼なじみの2人の男がヤクザ社会の中で辿る生き様を描く任侠ドラマ。『獅子王たちの夏』(91)の姉妹編で、前作に続き高橋伴明が監督。脚本を、夏井辰徳と剣山象。幼なじみの三崎和馬と江口智弘は、天女の刺青を背負う伝説のヒットマン鳴門隆の死体を始末したことから、本格的に極道社会に踏み込んでいく。同じ幼なじみの須藤弥生は二人とは別にホスト生活を始めるが、背中に天女の刺青をした客しのぶに出会い、本物の鳴門は実は生きていることを知る。一方、和馬と智弘は互いに一対の獅子の刺青を掘り、桜井組の中で着実に勢力を伸ばしていった。だが和馬は本家筋の佐竹組の遠藤の女である奈美を強引に自分の女にすることで組を破門になるが、あくまでも極道の道を求め、智弘は産業廃棄物処理場を...
全く異なる人生を歩む極道の兄弟の愛憎を描く、溝口敦原作の同名小説(徳間書店刊)を映画化したピカレスク巨編。監督は、『愛の新世界 Le_Nouveau_Monde_Amoureux』の高橋伴明。脚本は、高田純と剣山象の共同。幼い頃から修羅の世界を覗いて来た兄弟篤彦と重徳は、施設で一緒に育った倉本と義兄弟の契りを交わし、暴力団東竜会の三兄弟として名を馳せていた。ところが、対抗組織の黒声連合が東竜会会長を射殺、重徳は報復として黒声連合会長を暗殺し、全面戦争となった。しかし、東竜会は次第に劣勢となり組の解散をもってその終止符を打った。8年後、東竜会再興の野望を持った重徳が刑期を終えて戻ってきた。