タツノコプロが東急エージェンシーと連携して製作した、オリジナルのメルヘンTVアニメ。
森の中には、陽気な小人ファニット族が住んでいた。温厚で働き者の彼らだが、中でも男子のリルビット、女子のベルフィーは子供たちの人気者だ。孤児のベルフィーは、保護者の医師ドックリンと共同生活。ベルフィーの方が、お酒好きの先生のお母さん的な立場になることもある。リルビットは両親と妹との4人家族。だが父のロックが仲間にまじって働かず、一心にトンネルを掘り続けることが気がかりだった。とはいえベルフィーとリルビットも、普段は森の小さな探検隊。村長の息子ナポレオンたちを仲間に、今日も冒険を始めるのだった。監督は、スタジオぴえろ作品でも活躍の林政行。本作の美術はロウを溶かして塗るなど、特殊効果も試みた。そのおかげで独特の雰囲気があるものになっている。
7歳になる少年アルスは、引っ込み思案な性格のため村の子どもたちからのけ者扱いされていた。ある晩彼は、ガキ大将のキラから肝試しとして村はずれの祠へと誘われる。分け入った奥地で彼らは偶然妖精の里を発見するが、妖精たちに頼まれて里を脅かす妖花を始末することになった。しかし、迷い込んでしまったキラがその妖花に捕らえられ餌食にされかかってしまう。その時アルスはその身に眠らせていた伝説の勇者の血を目覚めさせる。人気ゲームを題材にした同名漫画を、新たにプレストーリーとして劇場アニメ化。
戦時中に起きた沖縄県の学童疎開にまつわる悲劇を元に、反戦をテーマとした劇場用アニメとして制作。
戦火が間近に迫っていた昭和19年の沖縄では、戦いに参加できない者を本土へ疎開させることが決まった。老朽輸送船である対馬丸に乗り込み、不安を口にする者もいないではないが旅行気分ではしゃぐ子供たちも多い。しかし、米軍の潜水艦から放たれた魚雷は、無情にも航海中の対馬丸をあっという間に轟沈させる。少年清ら数少ない生き残りの人々に対し、軍部はこの件に関する口外無用を厳命した……。
素朴で万人向けの絵柄ながら、その内容は苛烈の一言。荒海に放り出され次々と命を落とす人々の描写が、実話を元にした物語なだけにより痛ましい。