ギョロ松こと大松伝次郎は、ハィティーンの五人に襲われた少女を助けた後、あるスラム街に現われた。そして、SX貿易商会の付属診療所医師として採用された。社長のツヤコは、ホルモン鍋屋の主人で、売春には反対だが清潔なセックスハウスを設立しようと、SX貿易商会を起こしたのだ。ギョロ松はツヤコに案内されて、街の若者が精力発散のために殴りあったり、睡眠薬遊びをしたり、不健全なヤミ売春で稼ぐ街のボス大統領などの実態を知り、協力することにした。大統領は、婦人団体をかつぎ出してツヤコに対抗したが、ギョロ松が暴力追放が先決問題だと大衆を誘導したため、逆に大統領は群衆に袋だたきにあった。ギョロ松の即席看護婦フミコは小説家を志していたが、ギョロ松の暴力的ヒューマニズムに感動してしまった。そんな時、水害にあった村から芳江という娘がやってきた。芳江は軽い結核にかかっていた。一方、...
質屋の息子池内政夫とトランペット吹きの坂本信哉、化粧品セールスマンの島崎吾郎の三人は仲のよい友達同士である。政夫の店の番頭英吉が週刊ミステリーに推理小説を政夫の名で投稿し入選したのが騒ぎのはじまりである。ミステリーの記者野村早苗や編集長桑原、政夫の父泰造までが大騒ぎで第二作執筆を政夫に強いる。信哉のアパートに政夫は逃げ出した。信哉は政夫の妹百合子を恋しているが、女給蔭山みどりに追いかけられたり、百合子と若旦那の水野金次郎の間に縁談が起こったりして気が気でない。吾郎の恋人は芸者の加根子である。早苗の姉で銀座のバーまゆみのマダム野村真弓は芸能マネジャー浜田に興味をもっていた。彼女の店には信哉がトランペットも吹いているクラブハートの経営者黒木や中国奇術師呉活彩、シャーリー陳などがよくやってくる。ある夜、電話でみどりの部屋を訪れた信哉は、彼女が短刀で刺さ...