『刑事犬カールII』(けいじけんカールツー)は、1981年4月8日から同年9月23日まで系列で放送された刑事ドラマである。TBS、東京映画、渡辺企画の共同製作。全24話。
1977年9月から1978年6月まで同系列局で放送された『刑事犬カール』の続編。警察犬カール号は前作に引き続き「クラッフォーオブツカサドール」が演じたが、ヒロインは木之内みどりから坂上味和に変更され、手を組む仲間も加納竜や宮脇康之(後の宮脇健)から江藤博利に変更された。
放送時間は、前作を放送した『ブラザー劇場』(月曜 19時30分 - 20時00分)がバラエティ番組枠『ブラザーファミリーアワー』に替わったため、水曜 19時00分 - 19時30分での放送へ移行した。これにより、本作は複数社提供番組となった。
主役の「カール」は、前作に引き続き主演犬の「ジル」とその妹、弟、いと...
九州にやって来た橘真一は、地元の暴力団が少年たちをそそのかしているのを知り、彼らを悪の道から救うために立ち上がる。網走出身で、世間の裏街道を歩く流れ者橘は鬼寅の招きで九州へやってきた。鬼寅は不良少年保護施設で働いており、橘は助手として彼を手伝うことになった。少年たちと友情を深めていく橘だったが、地元の暴力団門馬組は少年をそそのかし、悪事をさせようとしていた。橘は博多山笠祭りの真ツ只中で、門馬組を叩き潰す!少年たちの行く末を願い、橘と鬼寅がカラダを張って大芝居を打つ…。
1975年2月、南ベトナム--。日本人商社員杉本俊夫は、テト(旧正月)でにぎわうサイゴンの町で、祖国を遠く離れた勝手気ままな生活を思う存分楽しんでいた。だが、ある日、杉本は殺人事件を起こしてしまった。ふとした偶然から、現地雇いのベトナム人フンを殺してしまったのだ。金と力にまかせて自由気ままに他国で振るまっていたこの一人の日本人は、一転して殺人者となってしまった。逃亡者としての杉本に、ベトナムの大地がたちはだかっていた。絶望的な逃亡と、さらに重ねた殺人の末に、杉本は、彼の友人の太田の車を奪い、ベトナムからの脱出を試みた。北端の町ユエから、徴兵を嫌って国外へ逃亡する若者たちのための密航船が出港する。その密航船に乗り込むのだ。同行するのは、杉本に献身的な愛を捧げるベトナム人女性ランと、ベトナム人と日本人の混血の若者タローである。タローは、かつて自...
失業中の浅利圭介が乗用車にはね飛ばされた田舎風の青年、松平陣太郎を連れ帰ったのは、逃げた車の持主を探し出して賠償金をたんまりいただこうとの下心があったからである。車のナンバーから犯人は流行作家の加納明治と風呂屋の猿沢三吉のどちらかであることが判り、浅利が加納に、青年が三吉に当ることになった。この青年松平陣太郎は自ら徳川将軍の末孫と称し、珍奇な風貌、頭の回転と行動力は恐るべきものがあった。彼の調べでは、三吉湯の商売仇に泉湯があり、三吉の娘一子と泉湯の息子竜之助がロメオとジュリエット的悲恋の運命にあることも知れた。一人ほくそえんだ陣太郎が両者をあおったからたまらない。風呂賃の値下げ競争で両家の食卓にはウメボシ、ニボシが並ぶだけとなり家族は栄養失調寸前、そんな時陣太郎は引き逃げ事件を三吉に切り出した。三吉のアリバイはアパートに囲っている女子大生のお妾さん、...
ヒットソングの映画化で「雁ちゃんの警察日記」の森田竜男と「危い橋は渡りたい」の監督八木美津雄が共同で脚本を執筆、八木美津雄が監督したメロドラマ。撮影はコンビの平瀬静雄。
見渡すかぎり青い海にかこまれた奄美の島々、大島紬の織り子しのぶは島で評判の美しい娘だった。東京から製糖工場の視察にやって来た志村康夫を知り互いに惹かれるのだったが、しのぶには島一番の無法者与那屋秀吾が想いを寄せていた。永く患っていたしのぶの母が突然他界し、ただ一人残された彼女にとっては康夫の優しい慰めこそかけがえのないものと思われ、乱暴な表現しか出来ない秀吾の愛情は迷惑なものだった。康夫が再会を約し離島して数日、しのぶに縁談が持ち上った。子供のない伯父夫婦がしのぶを養女にして紬問屋の息子と結婚させようというのだ。島の名物八月踊の夜、その相手はやって来たがしのぶの姿はなかった。康夫を慕...
元禄十五年十二月、四十七士が本懐をとげると、世はあげて賞讃の声を惜しまなかった。時の幕府は将軍綱吉を中心として、義士の処遇について苦慮した。儒学者荻生徂徠は、世論が賞讃と同情をもりあげ、助命の処置へ向って沸騰して行くのを承知の上で、敢えて義士に対する処置は「切腹」であるべき事を主張した。それは情においてではなく、法の名においてであった。かつて徂徠がおからを喰って勉学に励んでいた苦学時代、その長屋に隣り合せていた踊りの師匠おかつは、徂徠を尊敬するあまり、身の廻りの世話まで見た間柄で、徂徠もまた、おかつの芸に高い評価を惜しまなかった仲であった。しかし徂徠が将軍膝下にあって義士処遇の事を議する現在となっては、その立場が逆転した。つまり、おかつの弟間新六は、徂徠によって死に当面することになるのだ。義士の一人、中村勘助の恋人であるおしまも、おかつ同様徂徠に対し...