1948年の夏、東京の小金井にある岡山県の山林王古神の屋敷へ戦友である屋代寅太(谷隼人)を訪ねた金田一耕助(古谷一行)。先代当主の未亡人であるお柳さま(南風洋子)とその美しい娘八千代(范文雀)、八千代の腹違いの兄古神守衛(清水治)、先代当主の弟古神四方太(菅貫太郎)、寅太のおじで屋敷内の実質的な権力を握る執事の仙石鉄之進(伊藤雄之助)とその息子直記(村井国夫)、女中のお藤(小林伊津子)など、怪しげな雰囲気の住人が棲む古神家。寅太の勧めで逗留した金田一耕助は殺人事件に遭遇、日本刀で首を斬り落とされた死体の主は、八千代が婚約者として連れて来たいかがわしい新進の画家蜂屋小市(岸田森)なのか、あるいは同じく足に銃創のある守衛なのか!?。犯行時刻の前後に夢遊病で庭を徘徊する八千代の姿を目撃していた金田一耕助は、次々と起こる連続首なし殺人事件を解決...
A rambunctious, rough-and-tumble tale of a rowdy trio (Shishido, Kawaji,Yamauchi) of gambling bumpkins belonging to a rural yakuza clan. Much humor.
横須賀の外れにあるドライブイン“サウスーポ”。経営者のとし江は、元プロボクサーの恋人風間敬一の死後、女ひとりでこの店を守ってきた。風間の親友の山本はとし江に想いを寄せていたが、その彼も、風間の死とともに、とし江の前から姿を消してしまった。今ではとし江にとっての生きがいは、恋を捨て、青春を捨てて守ってきたこの“サウスーポ”だけである。居候の弟久、従業員の留吉と八重子夫婦、現代っ娘の笑子など、ここの住人はお人好しばかり。そして、この店に集ってくる、久の友人たち、笑子の恋人、客のトラック野郎たち、暴走族……みな各々、生活を持ちながら、何となく寂しい野獣たちである。ある日、風間が所属していたジムの会長がとし江を訪れ、この“サウスーポ”を売却したことを告げた。会長にはこの店の開店の時に出資をしてもらっているが、この突然の立退き命令に、とし江は怒った。そ...
秋空に雄姿を見せる磐梯山の麓、牛方町の郊外。明治時代に建てたような古臭い木造の牛方町警察署の中では、警察官が大童わ。鉄道自殺未遂の百姓娘ヨネを詰問していた神成係長は、彼女が明日婚礼を控える身と知り恋人と父親を呼んだが、自殺の原因が分からないと言う。それもそのはず、ヨネは姉婿の子を宿していたのだ。調室では斎藤巡査が、米泥棒の容疑で逮捕された紫田弥六を自白させようと懸命。貧しい彼の家には幼子がいるため、やむを得ず身に覚えのない犯行を自認した。町では豊年祭を控え、夕方5時ころ風速50メートルの台風が来るというのでテンヤワンヤ。町役場では台風対策の泥縄式会議を行っていると、ストリッパー上がりの巫女のお告げで大火事が起きると脅かされ大慌て。その頃、警察署では無銭飲食で留置中の色男の面会に立会った若山巡査が女とのイチャつきにあてられ、犬に噛みつかれた男が駆け込み...
明治末年。小森村は奈良盆地の一隅にある貧しい被差別部落だった。村の人々は、耕やす田畑はせまく、草履づくりでその日を送っていた。日露戦争で父を亡くした誠太郎、孝二の兄弟は小学生だったが、伸び伸びと育っていた。しかし、被差別部落民に対する世間の偏見はひどく、明治四年に公布された解放令も名ばかりで、就職、結婚も思うようにいかないのが現実だった。誠太郎と孝二がそんな世間の冷い目の中で明るさを失わなかったのは、母ふでのお蔭だった。ふではシンの強い女だった。間もなく誠太郎は尋常料を卒業し、何でもやると言って大阪へ奉公に行った。孝二が六年になったある日、村が火事になった。在所の消防団は、小森村だからほっとけ、と取り合わなかった。火事を起したのは、空腹の弟のために豆を炊こうとした武だった。武はその夜自殺した。武の父藤作は、武の死体を抱きながらこの村にも消防ポンプを買...
白球が青空をつき抜けてゆく。甲子園出場を目指して、今日も伝統ある魚谷高校野球部は激しい練習にはげんでいる。野球部長の岩崎先生は、いつも久留米絣の着物に袴というスタイルで選手達を鍛えている。この魚谷高に若く美しい女教師ナミ子先生が赴任して来た。ここの校長若山は野球嫌いの頑固者、毎月曜日の一時間目は必ず訓話を一席ぶった。この訓話中、野球部のエース荻原、堀田、篠原等が居眠りをしたのがもとで部長の岩崎先長は校長室に呼びつけられた。野球部の全員は岩崎部長から説教をくった。そんなところへ医者の息子の新村が大変な情報を持って飛び込んで来た。校長が野球部を解散させるというのだ。私設後援会員を自称する床屋の穂一と食堂のコブやんは、憤慨して校長の自宅へのりこんだ。野球部には一大ピンチが訪れた。エースの荻原が父の反対により退部するというのだ。男泣きする荻原をなぐさめる岩崎...
或る雨の晩、千葉街道で磯村産業調査部の所長磯村はトラックにはねられて死んだ。駆けつけた所員の日沼は、遺品にまぎれてあった木の葉に眼をつけた。その枯れかたは薬品によるものだ。日沼は所長の死が単なる事故死じゃない、何かがあると信じた。日本を二分する弱電界の雄、東邦電機と旭電機両者はテレビの新製品をめざして鎬を削っていた。磯村産業調査研究所は東邦電機の支配下にあった。そんな頃、助手の半田が、旭電機は革命的なテレビ、AH4型とよばれる新しい秘密テレビをつくったらしいと情報をキャッチした。この情報をいち早く捉えた所長が、東邦電機に知らせようとして旭電機の何者かに殺されたに違いないと、日沼は推理した。日沼の活躍がはじまった。その結果、旭電機系の調査屋が市場調査で、超小型テレビの世論調査をやったことがわかった。日沼は遠藤と共に旭電機に乗り込み、町田室長と対決した。...